録画していた『ガイアの夜明け』“陸の王者”を目指せ!(テレビ東京)を観ました。
現在TBSで放送されているドラマ『陸王』を意識したタイトルで、老舗足袋屋「きねや」の挑戦を追うという内容。
薄底シューズVS厚底シューズみたいな話もあって面白かったです。
きねや足袋「無敵」と「Toe-Bi」
「足袋の街」として知られる埼玉県行田市で1929年に創業したきねや足袋株式会社は、足袋の需要が少なくなる中、新たな市場を狙うべくランニング足袋の開発に力を注いでいます。
ランニング足袋自体は昔からあり、日本の“マラソンの父”と言われ、2019年の大河ドラマのモデルにもなっている金栗四三さんも使用していました。
その後、ランニング足袋が流行らなかった理由は分かりませんが、ランニングブームが拡大中の今、きねやのランニング足袋が注目されています。
「KINEYA MUTEKI(きねや無敵)」
きねやが最初に作ったのは、2012年に発売された「KINEYA MUTEKI(きねや無敵)」。
足袋屋の裁縫技術と薄いソールで、裸足に近い感覚で走れるランニング足袋です。
クッション性が薄いため、走っているうちに衝撃の少ない理想的なフォームになり、故障も少なくなるそうです。
番組内で無敵を履いて練習していた高校生は、約半年の使用でかかと着地から足全体で着地するミッドフット着地に変化し、ベストタイムも大幅にあがっていました。
「KINEYA Toe-Bi(トゥービ)」
きねやが無敵を進化させて作ったのが、今年発売されたばかりの「KINEYA Toe-Bi(トゥービ)」。
ゴムで足をキュッと締め上げるため、無敵に比べてフィット感が高まり、より裸足感覚に近づけるようです。
フォルムがシュッとして見た目もオシャレになっています。
きねやはこのランニング足袋を広めるため、大型スポーツ店「XEBIO(ゼビオ)」に交渉し、実際に販売していました。(今後XEBIOで販売するかはわかりません)
今のところドラマ『陸王』の影響もあってか無敵もToe-Biも売り上げは好調のようで、在庫切れ状態が続いています。
ランニング足袋のように裸足感覚で走れる「ルナサンダル」や僕が作ろうとしている「ワラーチ」はある程度認知されてきていると思います。
Instagramではルナサンダルやワラーチで毎日のように走っている人がいますし、この間の福岡マラソンではワラーチでサブ3.5している人も見かけました。
しかし、無敵やToe-Biを履いて画像をアップしている人はほとんど見たことがありません。
ハッシュタグ(#ランニング足袋、#足袋型シューズ、#toebiなど)の件数を見てもルナサンダルやワラーチよりも少ないのが現実です。
『陸王』ブームがあるとは言え、これから定着されられるかが大事なポイントだと思います。
そのためには生産を早く!と思ったりもしますが、手作りのため大量生産はなかなか難しいんでしょうね。
機会があれば履いてみたいです。
ワラーチを作る時に必要な材料を調べてみました – ぐっさんのブログ
余談ですが、ハッシュタグで検索するといろんな足袋シューズが出ててくるので面白いです。
下の岡本製甲が作っている足袋型シューズもInstagramで知りました。
Nike「ズーム ヴェイパーフライ」
裸足感覚で走れるランニング足袋が注目される一方で、ナイキは厚底シューズを発売しました。その名も「ズーム ヴェイパーフライ」。
厚底なのに軽く、ソール部分にカーボンが入っているため、反発力も抜群です。
ナイキが5月に行った「Breaking2」というフルマラソン2時間切りに挑戦したイベントでは、キプチョゲが「ナイキ ヴェイパーフライ エリート」(選手に合わせて作られたもの)を履いて2:00:25を記録(非公認)しています。
また、先日行われた福岡国際マラソンでも大迫傑をはじめ、多くの上位選手が「ヴェイパーフライ 4%」を履いていました。
アメリカオレゴン州にあるナイキ本社にも取材に行っていました。
そこでヴェイパーフライの責任者は、「正しいフォームは幻想」「フォアフット、ミッドフット、かかと着地、どんなランナーでも速く走れるように設計されている」と語っていました。
厚底だからどんな着地の人でも使えるし、カーボンの反発力があるからどんな人でも推進力を得られるということだと思います。
ヴェイパーフライはナイキの大規模なプロモーション効果もあって、市民ランナーの間にも広がっています。
「ズーム ヴェイパーフライ 4%」は25,920円(税込)、「ズーム フライ」は16,200円(税込)と高額な価格設定にも関わらず、在庫がなくなるほどの人気です。
Instagramでもたくさんのランナーが履いているのを目にします。
「疲れにくい」「スピードが出る」など、ポジティブなコメントが多いので、まだまだ広まりそうな予感がします。
厚底シューズはナイキ以外に「HOKA one one(ホカ オネオネ)」や「On(オン)」あたりが多く出しているので、厚底シューズが気になった方はチェックしてみてください。
結局薄底と厚底どっちがいいのか
この番組ではランニング足袋と厚底シューズという対極にあるものがでてきたわけですが、どっちがいいということは言えないと思います。
片方を履いたから故障がなくなるなんてことは言いきれないと思うので、結局は好き嫌いなのかなと。
3時間を切って走るようなエリートランナーならまだしも、僕らのような一般的な市民ランナーは何を履いてもそう変わらないと思うので、履きたいものを履くのが一番だと思います。
ただ、番組の最後に高岡尚司さんが言っていた「シューズに依存しすぎず、自分の足を磨くことが大事(要約)」ということはその通りだと思うので、シューズをあれこれ選ぶ前に自分の足をしっかり鍛えていこうと思います。
この番組の再放送はないようで民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」での無料視聴期間も終わってしまいましたが、テレビ東京ビジネスオンデマンド(有料)なら見れるみたいです。
“陸の王者”を目指せ!【ガイアの夜明け】|テレビ東京ビジネスオンデマンド
さいごに
ランニング足袋と厚底シューズ、正反対のものが同時に注目されるのはおもしろいなと思いました。
これからどちらかが負けるのか、共存していくのか、そんなところも気になります。
僕は「BORN TO RUN」を読んでワラーチで走ってみたいと思っていたし、ヴェイパーフライにカーボンが入っていることを知って「なんかせこい!」と思ってしまったので、今のところ薄底シューズ推しです。
と言いつつそのうち厚底履いてるかもしれませんがね。
ではでは。
【書評】クリストファー・マクドゥーガル 『BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”』 – ぐっさんのブログ
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